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「研ぎ澄まされたことば」を味わう。BOOK HOTEL 京都九条「詩・短歌」特集。

「詩」や「短歌」はいうなれば「ことばのアート」。

短い文章のなかで伝えたいエッセンスを研ぎ澄ませ、練り込み、リズムよく押し出すことばたちを感じてほしい!

「読書の秋」だけではなく「芸術の秋」も楽しめる!という二度美味しいカテゴリ。それが「詩」や「短歌」なのでございます。(力説)

BOOKHOTEL京都九条ロビー本棚


こんにちは。BOOK HOTEL 京都のスタッフSです!

こちら京都はようやくうだるような暑さから解放され、過ごしやすくなってきています。日中はまだすこし暑さもありますが、朝晩は涼しく(肌寒いくらいの時も)、ようやく秋の気配…!

紅葉シーズンを目前に控え、満室の日も多くなってきました。

そんな中、スタッフはそれぞれ創意工夫を凝らした「本の楽しみ方」を提案すべく日々模索中です。ゲストが過ごしやすいようなソファーの位置や本のレイアウトの変更、また、本が選びやすいように通路の広さを確保したり、
さらには各種お知らせを作成したり。

そうそう、カフェでドリンクの提供も始めました!(ぜひ遊びにいらしてください✨詳細はInstagramにて。)
細かなアップデートを日々重ねていっております。

さて、これからの季節、紅葉シーズンといえば、京都の本領発揮の季節。

桜のシーズンと同様(いやそれ以上?)に人が多くなる京都なので、静かに「おこもり読書旅」というのはもしかしたら、難しいかもです…。

しかし!!
BOOK HOTELならではの「読書&観光(なんならグルメやアートも!)」を詰め込んだ、「欲張り旅」を満喫するのには最高の季節です!

今日は、そんな秋にぜひご覧いただきたい「詩」と「短歌」のおすすめ本をご紹介します!どれもホテルでご覧いただける本からセレクトしています。


さて、詩や短歌というと、みなさんはパッと思い浮かべるものはなんでしょうか?百人一首や教科書にでてきたもの、など、何だかちょっと小難しいイメージを持っていませんか?

ぼくがゆびをぱちんとならして きみがおとなになるまえの詩集

そんなあなたには、こちらはどうでしょう。
やさしいことばで綴られた「きみ」と「ぼく」で味わう詩の本です。

こどももおとなも楽しめるやさしい語り口で、詩とことばについて、
その味わい方や、問いかけを投げかけてくれます。
小学生の「きみ」の問いかけに、大人の「ぼく」がこたえる、という
この作品自体が詩のようにも感じられる一冊。

詩って、ことばって、いったい何なんだろう?
あなたのそんな疑問に答えをくれるかもしれません。
高野文子さんの画による装丁も素敵なので、ぜひ一度手にとって頁を開いてみて欲しいです。

”さあ、きょうは、どんな詩を読もうかな。
きみと、ぼくは。
えいえんに、ながい、もうすこしの、あいだ。”

『ぼくがゆびをぱちんとならして きみがおとなになるまえの詩集」


あなたのための短歌集』 

短歌ってなんか難しそう…。そんなイメージをちゃぶ台ひっくり返すかのように覆してくれる木下龍也さん。

こちらの『あなたのための短歌集』は、お題を受けて、その依頼者のために作歌する、というプロジェクトをまとめた一冊。つまり依頼者のためだけに作ってくれるオーダーメイド短歌の作品集なのです!お題を受けてよんだ木下さんの短歌が秀逸すぎて、泣けるし、笑えるし、の楽しめる短歌集。なんなら私も依頼したいくらい…!!

「あなたのため」に作られた短歌でありながら、他の人の心にも響く短歌たち。今回読み返してみて心に残った短歌はこちらの三首(ひとつに絞りきれなかった…!)。

見開きにひかりをうけるとき本は手元に灯るふたつめの月

絶望もしばらく抱いてやればふと弱みをみせるそのときに刺せ

ふりむけば君しかいない夜のバスだから私はここで降りるね

『あなたのための短歌集」より

ちなみに、奥付にある著者のプロフィールの最後の一文が木下さんの人柄を感じさせてくれて、たいへん好みです。笑 

ここに素敵なものがある

こちらはリチャード・ブローティガンの詩集『突然訪れた天使の日』を改訳、新たに詩を加えたり、並び順を変更したという「完全新訳版」。ブローティガンの、呟きのような、囁きのような、そのままでは消えてしまいそうな小さな声のことばたちをそっと拾うことができる一冊です。

表題作の『ここに素敵なものがある』は言わずもがな、それ以外にも心の琴線に触れるような詩がいくつもあり、時折読み返しています。

気づくことは何かを失うことだ。
ぼくは考える、恐らく死者を悼むときでさえも、
このことに気づくために失ったものについて。

気づくことはなにかを失うことだ

たまにようわからん呟きもあるけれど、それもまた良し。その時々によって何か感じるものがあればいいのではないでしょうか。

えーえんとくちから

この本は、もう、ほんっとにおすすめの短歌集…!(大好き)
笹井さんの透明感あふれるこの歌集はもはやバイブル…(震えてる)。

同じく歌人の穂村弘さんによる巻末の解説を読むと、より味わい深く感じることができるかと!!

この星に消灯時間がおとずれるときも手を繋いでいましょうね

次々と涙のつぶを押し出してしまうまぶたのちから かなしい

祝祭のしずかなおわり ひとはみな脆い器であるということ

『えーえんとくちから』より

やはり一首にしぼりきれなかった…。このほかにもたくさんあるんです…、クスリと微笑むようなのもあるんです…、そして、タイトルにもなっている『えーえんとくちから』は、ぜひ声に出してよんでほしい一首であります…!最初に読んだとき鳥肌たったよね、この人天才だー!!って思ったもん。

そんな感じで、おすすめしだしたらアレもコレも、となって、ほんっとに止まらなくなっちゃうので、この辺にしておきます…
(実際にBOOK HOTEL 京都九条に来てセレクトを楽しんでいただきたい!今回ご紹介した以外にも、たくさん良本勢揃いです!)

今回はこの辺で…!スタッフSでした。


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最後までご覧いただき、ありがとうございます。 ぜひあなただけの1冊を探しに、遊びに来てくださいね。