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「神話の入り口」本。推しの解像度を上げる。

アベンジャーズが好きな方!
FGO(Fate/Grand Order)が好きな方!
アサシン クリード オデッセイが好きな方!

いらっしゃいましたら、ぜひこちらへ。
どうぞどうぞ、お気遣いなく。

今回は、神話をモチーフにした作品・キャラクターを推している方へのおすすめ本をご紹介いたします。

キャラの名前は知ってるけど詳しくない、神話を読むのって難しそう……
そんな方でも気軽に読める本を選びました。

推し活の一環として。
推し作品・推しキャラの解像度を上げるために。

気になる本があったら、ちょっと見てみてくださいね。

ちなみに、ですが……
私が好きなのは、ケルト神話の英雄・クーフーリン
アイルランドに生まれた半神半人の戦士が駆け抜ける、強くて哀しい物語です。

炎の戦士クーフリン/黄金の戦士フィン・マックール

アベンジャーズ、FGOが好きな方へ!

コミック・映画で知られるMarvel「アベンジャーズ」シリーズでは、「ロキ」や「マイティ・ソー(トール)」といった、北欧神話の神の名を持つキャラクターが登場します。

2022年に公開された「ソー:ラブ&サンダー」では、ギリシャ神話の最高神ゼウスなど、神話の神々がこれでもかというほど出てきます。

また、スマホゲームの「Fate/Grand Order(FGO)」「Fate/stay night(SN)」で知られるFateシリーズ。
こちらに出てくる「英霊(サーヴァント)」の多くは、世界各地の神話・伝承で語られる英雄がもとになっています。

他にも、草薙剣やシャムシールといった武具が使われている作品もありますね。
ファンタジー作品に出てくる神話モチーフは、意外に多いのです。

ですが、作品中に多くの神話が出てくると、これはギリシャ神話?ローマ神話?それとも北欧神話??と、混乱してしまうことがあるかもしれません。

そこでおすすめしたいのが、こちら!

世界の神様 解剖図鑑 平藤喜久子

神話学研究者の平藤喜久子さんが、世界の神話を幅広く網羅した図鑑です。

イラストがたくさんあり、解説も簡潔。
パラパラとめくりながらでも軽く読めます。

ジャンルが地域別でなく、神のもたらす力や属性によって分かれているのも、読みやすいポイント。

「太陽の神」、「海の神」といった自然神。
「恋愛神」などの恵みを授ける神。
「鳥の神」をはじめとした動物神、などなど。

シンプルに特徴をとらえた神々のイラストが秀逸です!

巻末には神・人名の索引があり、手に入りやすい参考文献も記載。
神話の入り口として最適といえる一冊ですよ。

アサシン クリード オデッセイが好きな方へ!

ゼウス、ポセイドン、タイタン、ガイア、ヘラクレス。
ギリシャ神話を知らなくても、これらの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

「アサシン クリード オデッセイ」は、古代ギリシャが舞台のコンシューマーゲームです。
ギリシャ神話に登場する神や人間、怪物などが物語に関わってきます。
当時のギリシャを自由に探索できる上、ディスカバリーツアーという教育モードも楽しめるんですよ。

またギリシャ神話は、黄道12星座の成り立ちとして語られることもありますね。
私が好きなのは、ぺしゃんこに潰されるカニ座の話です……。

さて、神話の中でも、とりわけ知名度の高いギリシャ神話。
彼らのエピソードは、想像以上に私たちの身の回りへ浸透しています。

そこで!ギリシャ神話についての本を紹介します。

古代ギリシャのリアル 藤村シシン

「ゲームさんぽ」のYouTube動画や、東京オリンピックの古代ギリシャ語通訳でも有名となった、古代ギリシャ研究家・藤村シシンさんによる執筆です。

現代の感覚ではつかみづらい古代ギリシャの常識から、神々の履歴書、面白い神のお告げ集まで。
複雑に絡み合ったギリシャ神話の歴史をときほぐすように、丁寧に解説しています。なぜ、ギリシャ神話の最高神はゼウスなのか?
アポロ計画のもとになったアポロン、太陽神じゃなかった?
愛の女神アフロディテが結びつけるものは?などなど……

何千年もの時を越えて。
神話がどのように形を変え、現代まで受け継がれてきたのか。

分かりやすく軽快な語り口によって、数々の謎が解き明かされていきます。

脚注が充実しているので、サラッと読みたい時とじっくり読み込みたい時、両方のニーズにお応えするナイスな構成となっています。

ギリシャ神話にちょっと興味がある方だけでなく、そこそこ知っている方にもおすすめ。
神話を一歩進んで読む手助けとして、ぜひ!ご一読ください。


現代の作品と神話の関わりを知りたい方へ!

すごい神話―現代人のための神話学53講― 沖田瑞穂

三冊目にご紹介する本の著者は、インド神話学者の沖田瑞穂さんです。

「現代人のための神話学」と書かれているように、有名な漫画や小説・映画と、世界各地の神話との関連性などについて述べています。

「鬼滅の刃」とインドネシア神話。
「100万回生きたねこ」とナイジェリア神話。
「天気の子」とメソポタミア神話。

紹介されている物語の流れを見てみると、驚くほど神話の構造と似ているんです……!

確かに、古くから語りつがれてきた神話には、人の心をふるわせる物語の源流があります。
とはいっても。今の作品が、神話をマネしているわけではなくて。

神話は、何千年もかけて人から人へと伝えられてきました。
結果、神話の中から多くの物語が取捨選択されたのです。

それは何故かと言うと。
人々に好まれる話は、時代や地域、社会などによって変わるから。
かつて人気のあった神話も、時代が変わると消えていく、ということは良くありました。

そして、今。
私たちが目にしているのは、「現代まで生き残ってきた」神話。
つまり、現代人に強くインパクトを与えるようなエピソードが多いということなんですね。

そう考えると……。
神話を読むのも、小説や漫画を読むのも、あまり変わらない気がしてきませんか?

「すごい神話」は、作品と神話とのつながりを通して、物語の根っこを大事に取り出してくれます。
有名作品と神話の魅力を再認識できる一冊ですよ。

神話を知ると、推しが更に輝いて見える!

神話の世界は無数に枝分かれしていて、奥深く面白いです。
また、神話の神々にも、実に多種多様なエピソードがあります。

神話や神について、もっと知りたい!と思った時。
専門書を読む前に、今回ご紹介したような入門書で、全体の流れをつかんでおくのがおすすめです。

みなさんの「推しの解像度」が上がりますように。
ぜひ、推し活にお役立てくださいね。



選書・執筆:なずなはな(twitter:@hana_nazu)

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