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“あたま空っぽ”でも読めちゃう、ゆる〜く楽しめるエッセイ3選

皆さん、いきなりですが本を読む理由ってなんですか?

新しいことを学びたい
悩みを解決したい
日常の嫌なことを忘れたい
とにかく活字に触れていたい

これに関しては十人十色ですよね。
私自身で言うと上記であげたこと、全てが当てはまります(笑)

ただ、疲れていたりシンドイ時って本を読んでも文字が頭に入ってこないですよね。

恐らく読書好きの皆さんは、こんな時でも気持ちを変えたいと本を開くことがあるのではないでしょうか。

けれど、職場や学校の人間関係、将来への不安などを思い出してしまう内容は勘弁・・・

今回は、そんな時にオススメなあたま空っぽでも読めちゃう、思わず笑ってしまうエッセイを紹介します!

さくらももこ ひとりずもう

笑えるエッセイといえば、このひと、さくらももこさん。

今回、紹介する「ひとりずもう」は著者の青春時代のことを中心に書かれています。

ただ、注意して頂きたいのは一般的に想像するような甘酸っぱい”青春”は皆無

さくらさんは、夏休みにやることがなさすぎて、毎晩、家の物干し場で夜空を見上げる。
これだけ切り取ると「ロマンチックやん★」と感じるが、一緒に夜空をみているのが父ヒロシ・・

「ちびまる子ちゃん」のアニメを見たことがあればご存知でしょうが、いつも軽口をたたいているあのヒロシです(笑)

ちなみにヒロシを無職と思っている方もいるでしょうが、実は八百屋の店主なんです。

バカってなんだろう?

かの有名な夏目漱石の名作「こころ」のなかで「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」と言うセリフがあります。

それに対して、さくらさんは自らの高校時代を振り返り
「部活もせず、バイトもせず、カチューシャの代わりにハチマキを巻いて感心し、気付いたら一文無しなんて、バカという名称以外にあてはまる言葉がない」と言及。

何もせず、カチューシャの代わりにハチマキを巻いてヘラヘラしている人は、精神的に向上心がないと言っても過言ではないですよね…

でも、そんなさくらさんが私は大好きです!

そして誰もゆとらなくなった 朝井リョウ

本の帯でも力強く主張するほど、“あたま空っぽ”で楽しめる1冊。

This is karappo!

著者の朝井リョウさんの小説を読んだことがある人はわかるでしょう、この人の凄さが。

直木賞をとった「何者」では就職活動を題材に若者の心理描写を巧みに描き、柴田錬三郎賞をとった「生欲」では"多様性"を斬新な視点で表現。

私自身「朝井リョウって見た目もシュッとしているし、非の打ち所がないな」と思っていました…

この本を読むまでは

本作を見ると「え…何やってんだろう、この人…」と感じるエピソードを無駄に洗練された表現しています(笑)

書店員向けの新刊プレゼン会では、参加者に少しでも有益な情報を届けたいと、作品とは全く関係ない「健康」についての話を織り交ぜ、会場を大いに困惑させる。

甘党が高じ、クリスマスシーズンにホールケーキを一人で5個平らげ、案の定、脂質異常症(血液中の脂肪分が多すぎる状態)になってしまう。

これらのエピソードはまだ良いんですが、朝井さんのエッセイは過去作品も通して、6~7割のエピソードはトイレで構成されているんですよね…

トイレで構成?

お気持ちは察します。
トイレにまつわるエピソードを中心にしたエッセイって、それはもうトイレ専門家の本ですよね(笑)

気の毒なことに朝井さんはとても腸が弱い・・・

某有名マンガ「〇〇〇の錬金術師」の名ゼリフ「何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない」

これを朝井さんに置き換えると、卓越したワードチョイス、鋭い視点を得たことを対価に、"ご機嫌ナナメな腸"を授けられたと思うぐらい…

本作を読むと朝井リョウさんに親しみがわき、友達になれたような感覚になれます。

ちなみに朝井リョウさんについて、気になった方はこちらの記事もチェック!
朝井リョウ愛をふんだんに感じられます!

村田沙耶香 となり脳世界

芥川賞を受賞した「コンビニ人間」で一躍有名になった村田沙耶香さん。

常人では思いつかないような作品の設定から「どんな人??」と感じている人は多いのではないでしょうか。

そんな村田沙耶香さんの頭の中が見れるのが本作。

本人は至って大マジメだが、思わず首を傾げてしまう摩訶不思議なエピソードが満載。

いくつか印象に残ったエピソードを紹介します。

①「コソソメスープ」
字面から「コンソメスープ」を連想するが、よ~く見ると「コ・ソ・ソ・メ」なんです。

村田さんは「コンソメスープ」を「コソソメスープ」と23歳くらいまで勘違いしていました。

正確にいうと「レストランで本当のシェフが作った本物のスープだけが”コソソメ”という正式名称で呼ばれる権利があるだろうと」思っていたそうです。

つまり
スーパーなどで売っている簡易的なタイプ
         ↓
     コンソメ

レストランで出てくる本格的なタイプ
       ↓   
     コソソメ

理屈はわかるけど「なんでやねん!」と思わず心の中で突っ込んでしまいますね(笑)

②スポーツ観戦では「右側」を応援
村田さんはスポーツを見る時、自分から見て「右側」を応援しています。

「右側???」
とあたまの中に「?」が3つくらい浮かびますが、特に贔屓の選手やチームがあるわけではないので、小さい頃からの癖で「右側」を応援するそうです。

③自分の年齢を覚えていない
村田さんは、自身の年齢を正確に把握していないらしくですね。こちら、ある日の担当編集者さんとのやり取り

村田さん:「昨日まで私、自分のこと38歳だと思っていたんですけど、37歳だったんですよ」

編集者さん:「あの、まだ違ってます。村田さんはたぶん35歳ですよ」

と訂正される始末・・・

これらのエピソードからもわかる通り、村田さんにとって物の名称や自身の年齢など、取るに足らないことなんでしょうね(笑)

そんな村田さんだからこそ、あの唯一無二の世界観を作れる!

最後に

今回、紹介した3冊は「本を読むって楽しい!」と感じさせくれる作品です。

どうしても読書に意味を見出そうとしてしまいますが、たまには純粋に面白さや楽しさを求めてもいいんです!

今週は予定をキャンセルしてBOOKHOTEL神保町で、あたま空っぽにして贅沢な読書時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

ライター:Reo
(note:https://note.com/book_tell)

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