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スタッフが最近読んだ本をご紹介!BOOK HOTEL 神保町新刊案内~vol.1~

一気に寒くなり、夜の時間も長くなり始めた今日この頃。お家で過ごす時間も自然と増えてきたのではないでしょうか?

お家で過ごす時間が増えてきた今だからこそ、いろんな本に出会ってほしい。できればホテルに来ていただくのが嬉しいですが、ホテルに来ていただかなくても、わたしの本を見つけられるきっかけを提供したい。

そんな思いから、今回スタッフ考案の「新刊案内」企画をスタートしました!

この記事では、BOOK HOTEL神保町にとっての「今月の新刊」をスタッフのコメントと共にお送りします。

とてもボリューミーな内容となっておりますので、本の紹介だけ読むなど、読者の皆さんなりの楽しみ方で読んでいただけると嬉しいです。


BOOK HOTEL神保町にとっての「新刊」は「スタッフが最近読んだ本」


「新刊」と聞くと、本屋さんの新刊コーナーにずらーっと平置きにされている本たちを思い浮かべるのではないでしょうか。

新しく刊行されたピカピカの本たち。平置きされている本たちをみると、新しい物語に出会えるような気がしてワクワクしますよね。本屋さんに行くとまず新刊コーナーから物色される方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、当ホテルにとっての「新刊」はただ新しく刊行された本を指すわけではありません。

当ホテルにとっての新刊は「スタッフが読んだ最近面白かった本」です。



今回の企画はスタッフとの会話の中で生まれました。当ホテルスタッフは基本的に「本好き」です。「好き」を通し越して、「本大好き人間」しかいないと言っても過言ではありません。

そんな私たちが普段よくする会話が「最近読んでおもろしかった本ありますか?」で、その時に出てくる本がどれもとても新鮮で良作なんです。

というのも、スタッフは「本好き」であることは共通しているものの、それぞれの好きな「本の種類」は全く違います。

だから、お互いが読んだ推し本を紹介することは、お互いにとって新しい世界を知れるきっかけの本でもあるわけです。

この会話の内容をお客様にもっとお伝えできれば、お客様にとっても新しい世界を開き、私の本に出会えるきっかけになるのではないか。

そういう思いから、スタッフの最近の推し本をBOOK HOTEL 神保町の「新刊」として、今回ご案内させていただきます。


今月の新刊をご紹介!


それでは、早速今月の新刊をご紹介します。
今回は年代は幅広く、漫画から歌集までさまざまな本が選ばれました。
スタッフの推しコメントと共にお届けします。


①レイモンド・チャンドラー著 「大いなる眠り」


<スタッフコメント✏️>
私立探偵のマーロウがある依頼を受けて奔走するミステリー。よくある主人公が謎解きをスマートにするミステリーではなく、マーロウが泥くさく謎に向き合い、真実に迫っていく作品。場面描写やマーロウの台詞回しが海外独特の洒落が詰まっていて痺れるし、謎解きを通して描かれるマーロウのあり方に心惹かれます。ここの世界にはいたくないけど、マーロウにはちょっと会ってみたいなと思う今日この頃です。


②西加奈子著 「夜が明ける」


<スタッフコメント✏️>
物語が進むにつれて、明るい日向のような場所から、暗くてどこか遠いような場所に行ってしまうような二人の行き先に、心が苦しくなります。読了後は作品の熱量に圧倒され、今この瞬間にも、二人の心臓の形と声が聴こえてくるような感覚になり、色々なことを考えさせられる作品です。


③木下龍也著 「オールアラウンドユー」


<スタッフコメント✏️>
読めばたちまち、こころの中に染み渡って胸がきゅっとなっていくような気持ちになります。寝る前や、気持ちが落ち込んだり、苦しくなってしまう、そんな時に定期的に読み直したくなる一冊です。


④藤崎翔著 「逆転美人」


<スタッフコメント✏️>
この本の仕掛けが分かったとき、鳥肌が立ちました!電子書籍ではできない、紙の本ならではのこの読書体験をたくさんの人にしてもらいたいたくて仕方ないです!!


⑤辻堂ゆめ著 「サクラサク、サクラチル」


<スタッフコメント✏️>
苦しい場面が多いけれど、驚きと感動の展開から目が離せなくなりました!社会問題、青春、ミステリー、多くの要素が詰まっていて考えさせられることもたくさんありました。



⑥川上未映子著 「深く、しっかり息をして」


<スタッフコメント✏️>
川上さんが雑誌Hanakoで連載していたエッセイをまとめた作品。1つ1つのエピソードはとても短く読みやすいのですが、物事をいろんな角度から深く見つめる川上さんの視座が詰まっていて、勝手ながら彼女と対話をしているような気持ちになります。普段自分がなんとなく思っている違和感やもやもやに少し輪郭を与えてくれることで、息詰まる社会の中でも、しっかり息をして生きていく余白を与えてくれる作品です。


⑥ヴィクトール・フランクル著 「夜と霧(新版)」


<スタッフコメント✏️>
被収容者としてナチスの強制収容所に収容された精神科医フランクルの回顧録。悲惨な状況の中で皆の口から出てきた「世界はどうして、こんなに美しいんだ!」という言葉が、忘れられません。紹介されるエピソードは想像を絶するもの、目を背けたくなるものです。ただ僕たち日本人は想像する義務があると思います。なぜなら、日本はナチスの仲間だったのだから。


⑦川村元気著 「仕事。」


<スタッフコメント✏️>
宮崎駿、秋元康、坂本龍一、谷川俊太郎、糸井重里、篠山紀信。この名前が並ぶだけでワクワクしませんか?川村元気が、このワクワクするメンツと、それぞれ「仕事観」について対談しているインタビュー集。少し世代的には上ですが、どのようにライフワークと向き合ってきたのか、熱量はどこからきているのか、語ってくれています。知っている人の章から読み始めることも、もちろんでき、ゲストの方々にとって、滞在中のちょっとしたインスピレーションの源になれたらと思い、推薦させていただきました。


⑧福田星良著 「ホテル・メッツァペウラへようこそ」


<スタッフコメント✏️>
舞台はフィンランドの小さなホテル。厳しい寒さの中でも、フィンランドに住む人々のつながりやあたたかさを感じられる本です。日本人のジュンは、そんなフィンランドに住む人々の優しさに触れ、ホテルの仕事をこなしながら、少しずつ心を開いていく。絵柄がきれいで、フィンランドに行きたくなります!


⑨古賀史健著 「さみしい夜にはペンを持て」


<スタッフコメント✏️>
学生の頃、こんな本に出会いたかった!絵本のような表紙に惹かれてページをめくると、優しいタッチのイラストに癒されながら、主人公のタコジローと一緒に考えを深めていく。人間関係やSNSなど、タコジローの持つ疑問をヤドカリのおじさんが丁寧に分かりやすく紐解いてくれるので、夢中になって読んでしまいます。「書くこと」をとおして、もう一人の自分に出会える1冊です。



新刊はホテル内で試し読みすることができます


今回ご紹介した新刊は当ホテル1階フロントにて展示しています。

お写真中央にあるのが、ご紹介した新刊コーナー


当ホテルの1階エントランスは宿泊者様ではなくでも、ふらっと立ち寄って自由に本をご覧いただけます。神保町に来られた際は、ぜひホテルにお立ち寄りください。

またリラックスした状態で本をじっくり楽しみたい方は、当ホテル内にあるBOOK BAR 「Ing」がおすすめです。


ちょっぴりレトロなお酒やドリンクやお菓子を片手に、1階にある本を実際に手に取っていただけます。

BARには日替わりで本が大好きなスタッフがおりますので、本を読んでみた感想など気軽に話してみるのもおすすめです。


BARではお酒とノンアルコール両方ご用意しております!


新刊コーナーは定期的に入れ替わる予定なので、紹介した本を一気に試し読みできるのは今しかありません。気になるほんが複数冊あるな…という方は、ぜひ気軽にホテルにお立ち寄りいただき、手に取ってみてくださいね。


本に「新しい」も「古い」もない。


実は、企画した私も紹介されている本を何冊か実際に読んでみました。すると、自分にとってはどれも新しい発見に溢れていて、とても驚きました。

そして思いました。本に「新しい」も「古い」もないのだな、と。

本の中にはどういう形式であれ、物語が存在します。物語の中に生きている時間軸があって、私たちは読むことを通してその時間に自分の感覚を合わせていく。

たとえ、本の中にある物語が現代を生きる私たちと遠く離れているものだとしても、読んでいるうちに新鮮な景色や視点にあふれた体験ができれば、それは読者にとって立派な「新刊」になりうるのではないかと思うのです。

だからこそ、新しく刊行された本だけでなく、いろんな時代で生み出された本を紹介していくことが、誰かにとって「わたしの本」を見つけるきっかけになって欲しいと願っています。

当ホテルには年代や書かれた場所、ジャンル問わずいろんな本にあふれています。本屋さんでは見つけられない、出会わない本を手に取ってみたい方や、今自分にとって必要な本をじっくり探してみたい方。ぜひ新刊案内を片手にホテルにふらっとお立ち寄りいただけると嬉しいです。


企画・執筆:外村祐理子


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