「"言葉"は人生を豊かにする魔法」と感じさせられた珠玉の小説・マンガ・書評のご紹介
「もうダメ、あかん・・・」
そんな絶望的なとき、なにげなく手に取った本の言葉に救われたことはありませんか?
逆に悪意のある一言で、いっきに気分が沈んでしまうこともありますよね・・・
そう
言葉には人の気持ちや行動を変えられる"魔法"のような力があります
その魔法は悪用するのではなく、誰かを励ましたり幸せな気持ちにさせるために使いたいですよね。
ただ、言葉を思い通りに使いこなすのって難しい。
例えば、映画を観て感動して「なぜか?」を伝えようとしても「エモかった!」「最高だった!」しか出てこないように・・・
私自身、このような経験が幾度もあり悔しかったんです。
だからこそ「本を読んで語彙を増やそう」「日記を書いてアウトプットの質をあげよう」と言葉に対しての意識が上がりました。
今年はNHKの大河ドラマで『源氏物語』の作者紫式部の生涯を描く『光る君へ』が放送されています。
また、「新書大賞2024」では『言語の本質』が大賞に選ばれました。
これらのことからもわかる通り、いま世間の言葉に対する関心が高まっています。
そこで今回、私が読んで「言葉の力ってスゴイ!」と感じた作品をご紹介していきたいと思います。
本日は、お日柄もよく
言葉の力で背中を押してくれる
私自身、息を吸うように本を読みます。
というと大袈裟なんですが・・・それくらい本を読むことがあたりまえになっています。
そのきっかけをくれた、とても思い入れがある1冊です。
装丁が変わっている
それだけで手に取った1冊が、まさかここまで大きな影響を与えるとは思いませんでした。
物語はふつうの会社員である主人公が、友人の結婚式で伝説のスピーチライターと出会ったことをきっかけに、自身も言葉のプロであるスピーチライターを目指すお話し。
本作を特に読んでほしいのは、やりたいことはあるけど、なかなか一歩踏み出すことができていない人です。
作中、登場人物たちも新たな挑戦をするため、今いる安定した場所を捨て、別の世界に飛びこんで行きます。
新たな挑戦をするさい、理想と現実のギャップに苦しまされることってありますよね。
そんな時、作中に出てくる言葉が折れかけた心を奮い立たせてくれます。
活字で鳥肌が立ったのは人生で初めて
そんな読書体験を是非あなたにもしてほしい。
言葉の持つ力、豊かさ、そして可能性を教えてくれる1冊です。
言葉の獣
もし、言葉が獣の姿をしていたら
世の中には文字や数字から色を連想する”共感覚”の人がいます。
この物語は言葉が獣に見える共感覚を持つ女子高生が、この世でいちばん美しい言葉の獣を探しにでるお話しです。
本作の魅力は何と言っても言葉が神秘的な獣の姿をして出てくること。
六足歩行の猫?
悪意のある表情をした蛇?
一体どんな言葉が擬獣化されたものなのか・・・
これだけ見てもワクワクします。
また、おもしろいのが、同じ言葉でも人によって姿・形が全く違う獣になるんです。
それはなぜなのか!?
そこに言葉の持つおもしろさが凝縮されているんです。
気になる方は↓から試し読みができますので、ぜひ
ご覧になってください。
小泉今日子書評集
その言葉、息遣いに一目惚れ
俳優の小泉今日子さんが読売新聞で掲載した10年分の書評をまとめた1冊。
小泉さんは「キョンキョン」の愛称で親しまれ
1980年代を象徴するトップアイドルでした。
その後はフィールドを演劇方面に移し、NHK朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」で主人公の母親役をやった印象が強いですよね。
小泉さんは相当な読書家で、仕事場でもいつも本を読んでいたそうです。
本書のはじめに「どうか私に話しかけないでください。そんな張り紙代わりの本だった」と書いてあり、この一文を読んで「この人は信頼できる」と本作に身をゆだねる決心がつきました。
小泉さんが綴る言葉には、誤魔化しがない
真っ直ぐさとユーモアが兼ね備っています。
アイドル、歌手、俳優、会社社長、舞台プロデューサー、いくつものフィールドを経験したからこそ出せない味があります。
例えば、女性を悲しませるダメ男が主人公の「均ちゃんの失踪」の書評にて。
「あ~なんて気持ちのいい文章を書くんだ」と読んでいるこちらまで”スカッ”とさせられます。
読後は紹介された本が読みたくなる。
それだけではない。
小泉さんの言葉の余韻が心にじんわり染みわたります。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございます!
普段からあたり前のように使っている言葉。
それ故に意識する事ってあまりないですよね?
言葉を自在に操れることは、間違いなく大きな武器になります。また、身近な大切な人達を勇気づけることもできます。
そして
言葉を知ることは、自分を深く知ることにも繋がります。
言葉を学び人生を豊かにできたら素敵ですね。
ライター:Reo