寒い夜、じんわり心が温かくなる。益田ミリさんオススメ作品を紹介。
気温も下がり、ようやく冬らしくなってきましたね〜
12月は、クリスマス・冬休み・大晦日などイベントが多く、心華やぐ人もいるでしょう。
いっぽう、受験を控えていたり、仕事が忙しくなる人達にとっては、心にゆとりが持てなくなる時期でもあると思います。
「ここが踏ん張りどころ!」と気合いを入れ続けても、いつかはガス欠してしまいますよね。
時には自分を甘やかすことも大事。
「あ〜今日はもう疲れて何もできない…」
そんな日は、温かい飲み物をおともに本を読み、ひと休みしませんか?
今回は、そんなときに心を癒してくれる益田ミリさんの作品を紹介します。
ミリさんの作品の魅力は、絵のタッチのゆるさと、思わず読みながら「あ〜わかる、わかる」と頷いてしまう共感性。
そして、人生の教訓になる珠玉の言葉たち。
さっそく、紹介していきたいと思います。
週末、森で
あらすじ
主人公の早川さんは、ある日ふと思ったのです。
「そうだ、田舎で暮らそう」
「そうだ、京都に行こう」くらいの気持ちで、田舎暮らしを始めちゃうこの軽やかさ!
冒頭1ページで心をつかまれてしまいました。
田舎暮らしと聞くと、「スローライフ」や「自給自足」のイメージがありますが、早川さんは特にそういったことをする様子もなく、あくまで自分のペースを貫きます。
お友達のマユミちゃん・せっちゃんが家に来ても、平気で家庭教師や着付けのバイトに行ってしまう(笑)
それでも、2人とも咎めたりしないんです。
負担になるようであったら、それは友達と呼べるのだろうか?
理想の友達のカタチって、案外こういうものかもしれませんね。
早川さんの、何ものにも縛られない軽やかな生き方を見ているだけで、気持ちがすっと楽になります。
『千疋屋のフルーツサンド』『つばめグリルのハンバーグ弁当』など有名店のお土産を毎回持ってくるマユミちゃん・せっちゃんに対して「わかってらっしゃる~」と早川さん流のおなじみの返しがあり、これがまたクセになるんです♪
僕の姉ちゃん
あらすじ
今日もリビングで机をはさみ、恋・仕事・趣味・時には人生について語らう姉と弟。とくに何が起きるわけでもなく、ただただ姉弟の日常をゆる~く描いています。
しかし、そこに姉ちゃんの「ユーモア」かつ「辛辣」な名言が、いくつも飛び出してきます!
弟:女の子のさー、ふと見せる素の部分とかっていいんだよね
姉:女に無意識などない
弟:人生でさー、一番大事なことってなんだろう?
姉:生きていることじゃない
弟:出世ってなんなんだろ
姉:出世とは「世に出る」とゆーことで生まれてきただけで、もう出世なわけよ
このような確信をついたようなことを言うこともあれば
石橋を叩いて渡る男より、石橋を作る男が好きだわ~
と急に好きな男性のタイプを発表することもある自由奔放な姉ちゃん。
正直、男性からすると女性が皆姉ちゃんのように考えていたら、末恐ろしい限りです・・・
こんな姉ちゃんがいたら嬉しい・・・かどうかはさておき。姉ちゃんの考えかたや、価値感には勇気づけられます!
ちなみに黒木華さん×杉野遥亮さんでドラマ化もしているので、原作とあわせてドラマも見ればより楽しむことができます!
世界は終わらない
あらすじ
ミリさんの作品では、珍しく男性目線のお話し。
主人公の土田さんは同僚に「頑張って出世したところで、給料はそんな変わんないっすよ」と言われてしまいます。
それでも、定時後に常連さんの家に予約の本を届けたり、絵本コーナーに子供用のイスを置こうとしたりと、お金や効率に縛られず真摯に働いています。
そんな土田さん、ある夜ふと「人生の意味」について考えるんです。
これは答えが簡単に出てこないやーつ。
そもそも、答えなんてあるのか・・・
それでも、いつもの定食屋でカツカレーを食べている時に思うんです。
人生のほうから事あるごとに「どうする?」って聞いてきて、それにコツコツ答えつづければ自分の人生になる。
受験、就職、転職、結婚、離婚、親の介護・・・
たしかに、人生の岐路に立たされるたびに、「さあ、どうする?」と問いかけられているような気持ちになりますよね。
そんな時、土田さんの言うように、自ら意味を見出そうとしなくても、いいと思います。
その都度、人生から問いかけられたことを地道に打ち返していけば、それがあなたの人生になるんです!
『東京堂書店』さん2Fに益田ミリさん本棚が!
ちなみに、BOOK HOTEL 神保町から歩いて10分くらいのところに『東京堂書店』という老舗の本屋さんがあります。
なんとそこには、まるまる1棚が益田ミリさんの作品になっている夢のような本棚があります!!!
今回、紹介した作品以外にもすてきな作品が沢山あるので、気になる方はぜひぜひ足を運んでみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今回、改めてミリさんの作品を読み返して思ったことがあります。
わたしたちには、益田ミリさんがいるから大丈夫。
ミリさんの作品に出てくる言葉たちが、きっとわたしたちの心の御守りになってくれるでしょう。
ライター:Reo
(note:https://note.com/book_tell)