台風で外に出れないから、まったり気分になれるエッセイを読んでみた。
秋といえば食?行楽?とはいえ、せっかくの連休も台風。何も考えずにお出かけできていた日常は、まだまだ戻ってこない。なんだか心がざわつくし、いろんなことに手がつかない。そんな時は、お部屋にこもって「エッセイ」を読んでみて欲しいのです。
話題の小説やビジネス本を「みんなが読んでるから」という理由で、読まなくてもいい。
どこの誰とも知らない方の人生を、くすくす笑いながら、切ない気分になりながら、自分と重ね合わせながら味わってみて欲しいのです。
作家さんの毎日を切り取ったエッセイは、「非日常」を擬似体験できる面白さがあります。辛口なものから爆笑できるもの、いろんなジャンルがありますが、今回は読後がホッとした気分になれる「ゆる〜く読める」というテーマで3冊厳選しました。ぜひご堪能ください。
『一人飲みで生きていく』 稲垣えみ子
元朝日新聞社の記者であった稲垣さん。
50歳で新聞社を退職、アフロヘアがトレードマーク。
究極の「持たない暮らし」を続けながら、多方面で活躍されています。
(『魂の退社』『アフロ記者』もおすすめ!!!)
今回のテーマは一人飲み!
大勢の飲み会が嫌いなあなたへ。
人に気を遣って疲れてしまうあなたへ。
誰かに気を遣う必要がない「1人」の世界に踏み出してみて欲しい。
社交的でなくても、大丈夫。
その場所で、その味を、その空間を、全く知らない誰かと共有する。
「1人だけど、1人じゃない」
そんな経験を是非してみて欲しいのです。
人生についての語り・名言が多くて、本が付箋だらけになりました。
お酒が苦手、という方もぜひ。
自分にとって、自分が自分らしくいれるお店が見つかるといいなと思っています。
『四次元温泉日記』宮田珠己
宮田さんの著書はクスッと笑いたい方にとってもオススメ。
切れ味抜群の文章力に、ただただ脱帽です。
タイトル通り、日本各地の温泉宿に宿泊した日記。(一応、、笑)
とはいえ、ちょっと結構めちゃくちゃクセがあるというかなんというか。
温泉旅館の中でも、改築に改築を重ねた「迷路」のような建築に目をつけ、探検しまくるのです。
宮田さん含む男性3人が思い思いに、あちこち観光したり、しなかったり。笑
そう、初めは温泉は二の次であり、旅のついで。
「自宅の風呂と何が違うんだ!」と思っていた宮田さん。
なのに、最終的には温泉にハマってしまっているからまた面白い。
山奥の温泉宿で、ただただお湯に浸かる。
競争と情報の嵐に飲み込まれる前に、ホテルや旅館にお泊まりして、何もせず、ただぼんやり、本でも読んで、ゆるーく過ごしたい。
よくある、旅エッセイとは違う切り取り方をされているので、読書をよくされる方にも新鮮な体験ができるかも。
『銀座缶詰』益田ミリ
短いエッセイが約70話入った、とても読みやすい本。読書習慣はあんまりないけど、ちょっと何か読んでみたいという方にピッタリ。
益田ミリさんが、(だいぶ前のモデルの)iPhoneを買いに行くお話。(追われてないのに)、銀座のホテルで缶詰になるお話。ホットケーキ食べたり、トレンチコート買ったり。
変哲のない、日常。
誰にでもある、普通の日々。
なのになんでこんなにも色鮮やかに書くことができるんだろう。と感心します。
生きていく中で、大切なこと。忘れちゃいけないことを学ばせてもらったような。
40歳をすぎた筆者が切り取る、若かった、「あの頃」
そして、かけがえのない「今」
「あの頃はよかった」なんてそんなことはなく。
そりゃあ変わってしまったこともあるけれど、変わらないものが確かにある。
何かを失ったわけじゃなくて、大切な何かを得ているのだと思います。
文庫は、平成25年初版発行なのに、今読んでも全く色褪せない楽しさが魅力の一つ。
キラキラ生きなくてもいいんだ。
そんなふうに背中を押してもらえます。
誰だって、今を噛み締めて生きていいんだと、思います。
さいごに
今回は、「ゆるーいエッセイ」のテーマで選書してみました。
個人的にエッセイは、ビジネス本や小説ほどメジャーではないのかなという印象を受けることがたまにあります。
小説とエッセイどちらも好きという方はよくいますが、「エッセイだけ読む」という方はあまりいないような。
作家さんのファンの方以外だと、なかなか手に取りづらいのかもしれません。
でも、たまにはいろんな角度から、いろんな視点から。
新しい誰かの生きた形跡をなぞる楽しみを味わって欲しい。
「頑張って読む読書」じゃなくてもいいと思うのです。
今回ご紹介したエッセイは、ほんわかした中にも、芯がある作品ばかり。
ビビッと心に響くほど刺さる内容があるかもしれません。
ぜひこの秋は「エッセイ」をお手元に。
くれぐれも、台風にはお気をつけください。
【番外編】
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