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日常を楽しく変える!令和のエッセイスト特集

「なんだか毎日同じことの繰り返しでつまらない・・・」

そんな風に思いながら生きている人は、あんがい多いのかもしれません。

同じような生活をしていれば、こう思うのも無理ないですよね。

朝起きて会社に行きクタクタになりながら家路に着く。1日の楽しみは、晩酌しながら観るNetflixみたいな。

「あ~このままでは、よくないことはわかっている。だけど新しいことをやる体力も気力もないよ!!!」

その気持ち、すごくわかります。

けど、代わり映えない毎日も、よ~く目を凝らせば違って見えてくるものです。

そんな違いを楽しむ視点こそ、日常に彩りをもたらしてくれます!

日常は"楽しい"で溢れている

今回は、なんでもない日常を面白おかしく描く令和のエッセイスト3人を紹介します。

岸田奈美

プロフィール
1991年、神戸市北区生まれ。
関西学院大学人間福祉学部社会起業学科に在学中、株式会社ミライロの創業メンバーとして9年働き、2019年3月、急にエッセイがバズって、作家として独立。Forbes JAPAN「30 UNDER 30 2020」日本・アジアともに選出。

岸田奈美さんの人生は、波乱に満ちています。

中学2年生のときに父が突然死、高校1年生のときに母が心臓病で車いす生活、弟が生まれつきダウン症。

そんな家族と岸田さんの愛おしい日々をまとめた作品『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』。

私はこの作品を読んで、感情をぐちゃぐちゃにされました。


岸田さんの生い立ちから、悲しい内容を想像するかもしれません。しかし、いとも簡単に裏切られます!

飛び道具のような面白エピソード
遊び心いっぱいのワードチョイス

まるで言葉が不思議なダンスを踊っているように見えます。

本作の最初に収録されているエピソードのタイトルが『弟が万引き疑われ、そして母は赤べこになった』。

「どんなシチュエーションだよ!!!」

と、思わずツッコミを入れてしまいたくなる。
この時点で既に、岸田ワールドに引き込まれていました。

他にも、真夏の野球場のアルバイトでホットコーヒーの売り子をさせられたり。高級ブラジャーの試着に1時間ほど奮闘すると言った、クセのある変化球エピソードが収録されています!


ただ、日常を面白おかしく描くだけだったら、感情をぐちゃぐちゃにされることはありません。

家族のことで葛藤している胸の内も、しっかり刻まれています。

生活がつらいわけではない。
毎日毎日悲しくて悲しくて、しょうがない。
それがつらかった。
でも、家族を残して、死ぬことはできなかった。
だから、生きた。
何をがんばるでもなく、ただ、毎日、死なないようにした。

出典:家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

”名作”といわれる映画には必ずと言っていいほど、「緊張」と「緩和」がバランスよく組み込まれています。

まさに本作は、名作映画を見終わった後のような気分に浸れます。

古賀及子

プロフィール
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。ライター、編集者。
2003年ウェブメディア『デイリーポータルZ』にライターとして参加、2005年同編集部に所属。『納豆を1万回混ぜる』『決めようぜ最高のプログラム言語を綱引きで』『アイドルの話はプロレスの話に翻訳できるか ~文化にも通訳が必要だ~』などを執筆。

古賀及子さんと、小学生の娘さん・中学生の息子さん3人の生活を日記ベースで書いた作品『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』。

古賀家は、なんだかいつも楽しそう。

トラブルや事件が起きるわけでもなく、どこにでもある家族の日常を切り取っています。

けれど、そのなんでもない日常の些細なことを楽しめちゃう、それが古賀家なんです。

特に、そのなかでも娘さんのどんなことでも楽しもうとする姿勢には目を見張ります。

「今日友達とうっとうしい踊りをつくったから見て」と、さほどうっとうしくもないダンスをいきなり披露したり。

近所のひとからもらった柿を「冷蔵庫のあっちこっちに入れたから探してね!」と、ゲーム要素を取り入れ、エンターティナーぶりを発揮したり。

楽しむことに余念がない!

そんな子たちに古賀さんは、愛情表現を惜しみなくします。また、家族でありながらも一人の人として対等に接しているように見えます。

親子だと距離が近いぶん、思いやる気持ちを忘れてしまいがちになる。いい関係性を築くには相手を尊重することが、もっとも大事なことかもしれませんね。

ひと昔前と違い、いまは家族を持たない人も多いです。

家族を持つ=幸せとも限りません。

けれど、そんな時代に家族を持つことの楽しさ・素晴らしさを感じられた作品です。

僕のマリ

プロフィール
1992年福岡県生まれ。2018年活動開始。同年、短編集『いかれた慕情』を発表。同人誌即売会で作品を発表する傍ら、商業誌への寄稿も行う。

クセの強い常連客たちと、態度が悪い客を”出禁”にする喫茶店のちょっと変わった日々を描いた『常識のない喫茶店』。

とにかく常連客たちのパンチが強いんです!
そんな常連客に、従業員は面白がってなあだなをつけます。

例えば、短い滞在時間に同じ飲み物を3~4杯頼み、店の在庫を逼迫させる「妖怪在庫荒らし」

アメリカンコーヒーに延々とお冷を混ぜ、店に居座り続ける「無限アメリカン」

このように凝ったあだ名の人もいれば、シンプルに「みんなに嫌われている夫婦」と言ったド直球のあだなの人もいます。

仕事って基本的には面白くないので、こういった小さな楽しみを見出すことも大切ですよね。

ただ、あだ名をつけられる方としては嫌ですが・・・

常識のない喫茶店には、「お客さんと喧嘩してもいい」というルールがあります。理不尽なことを言ってくる客には「もう来ないでください」と告げ”出禁”にもします。

それはこの店に「働いている人に失礼な態度をとる人はお客様ではない」という理念があるから。

「出禁」や「喧嘩」の部分だけ切り取るとびっくりしますが、従業員を守るため、そしてお客さんが心地よくお店を利用するためのルールなんです。

私たちも生活しているなかで、理不尽なことを言われることがあります。そんなとき、残念ながら黙っていると受け入れたと判断されてしまいます。

少しの勇気で今後のストレスが軽減するなら、それに越したことない。


大切なひと・大切なものを守るために、時には声をあげることも必要。

そんなことを常識のない喫茶店が教えてくれました。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます!

ゴールデンウイークが終わり、まだまだ5月病の真っ只中にいる人も多いはずです。

それならば、日常から"楽しい"を探してみてはいかがでしょうか。

些細なことでも楽しめる力は、きっとあなたの人生を豊かにしてくれます。

ライター:Reo


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