見出し画像

【本を読むということ】ブックホテル神保町の支配人が語る、「読書」の真髄。本は、「読まなくても」いい。

…。少々、カッコつけたタイトルにしすぎてしまったかもしれない。(笑)

それでも、私は声を大にして言いたいのです。
「読書は、楽しくあれ!」ということを。

本を読んだ方が成長できる。
本を読むと賢くなれる。
本を読むと知らない景色を見ることができる。

どれも正解だと思います。でも、どれも真髄ではないようにも感じます。
もはや、「読書」とは、「目的があってするもの」でなくてもいいと思うのです。

むしろ、もっと自由でいい。

もっと気軽に、フランクに、

読みたいところだけ

読みたい言葉だけ

あなたなりのスタイルで読んでみたらいい。

そんなふうに思うのです。

この話題に関して、私は熱くなりすぎてしまうので、何回かに分けてお届けします。笑
このnoteではまずは「本とは何なのか」そして、「本に出会うとは?」ということについて私の考えを書いていければと思います。

本当は、本とは、一体何なのだろうか。

(タイトル、ちょっと上手いこと言えました。一回音読してほしい。笑)

私は、そもそも「本は読むもの」ではないのではないか?と思うのです。

本当に面白いと思ったら、気づかないうちに「読んでしまっている」もの。

例えるなら、続きが気になって見たくてたまらないドラマ。

時間を忘れて見てしまう。
出てきた俳優の作品も調べてみたり。
一緒に喜びを共有したくてSNSで感想を探してみたり。

読書体験も、こんなふうに「圧倒的に没頭できるもの」であっていいと思うのです。

もちろん人によるでしょうが、ドラマは、途中で「つまらないし、やめちゃおう」ということが、たやすくできます。

ただ、読書だと「最後まで読まないと」「せっかく買ったのに読まないと」と思いがち。

「これが読めない私なんてダメなのかも」「みんなは面白いって言っていたのに」と自分を責めてしまう人もいるかもしれません。

しかし、読書は、強制されるものではないと思うのです。
勉強のように「読みなさい」と言われて、嫌いになってしまってはもったいないと思うのです。
ましてや、自分を痛めつけてまでするものではありません。

むしろその逆だと思うのです。

私にとって、本を読むこととは、「自由であること」と同義だと思います。

本の数は、星の数ほどあるから。

この世には、それこそ、信じられないくらい本があります。2010年のGoogleの調査では、世界中にある本の数は、なんと「1億2986万4880」
もうイメージができない数ですよね。

日本だけで考えてみても、令和元年(2019年)の総出版数は「71,903冊」(総務省のデータより)。

そりゃあ読んでも読んでも終わりが見えないわけだ!と笑ってしまいました。

そう考えると、これらの膨大な本の中から、「これだ!」と思う本に出会えることは、なんだか奇跡のように感じませんか?

近年は、書店員さんのPOPやイベント、またはSNS発信などにより、比較的、話題の本を探すことは簡単になってきているように思います。
ただ、そうはいっても、その本が自分にとってベストかどうかは読んでみるまでは分かりません。

具体的にイメージしてみましょう。

例えば…

1ヶ月で5冊読んだとして、1年で約60冊。
現在30歳の方がペースを落とさずに80歳まで読み続けたとして、3000冊。

(これが多いのか、少ないのかは個人の考えによるかと思いますが…)

せっかくなら、その中の3000冊の中には「強制」された本ではなく、「読みたい!」「ずっとお守りにしたい!」と思える本で埋め尽くしたいですよね。

しかし、やはり1億冊以上ある本の中から、3000冊を選ぶ作業はなかなかにハード。

正直「合わない作品」(これは著者の方を悪くいうのではなく、本との相性の問題です。)を引くこともあれば、「面白いのにひたすらに長くて時間が取られてしまう作品もあるでしょう。


人生で、読むことのできる本の数は限られている。

だから、いい意味で諦める。
一期一会の本との出会いを楽しんでみてもいいのではないのかと思うのです。

本と出会うということ

ふと、「一生で出会える人の数」と検索して見ました。

かなり有名なこの一説を見つけたのでご紹介します。

人生で何らかの接点を持つ人が30000人。
 学校、仕事などを通じて近い関係になるのが3000人。
 親しい会話ができる関係が300人。
 友だちと呼べる関係が30人。
 親友と呼べるのが3人。

(図らずも、「3000」の数字がかぶりました。なんだか嬉しい…)

きっとこれからの人生、3000もの本と「近い関係」にはなるものの、親しくなれるのはきっと300冊(〜500冊くらい)、これぞ!という運命の本に出会えるのはきっと3〜100冊くらいだと思うのです。
(*異論は認めます。)

正直、少ないかもしれません。

でも、すっごく素敵なことじゃありませんか?

好きな人に出会うように、好きな本に出会う。

大切なのは、読書量だけではなく、本を読んだ際の「想い」を大切にすること、「本との出会いそれ自体」を楽しむこと。

だからこそ

「本は頑張って読まなくていい」

といえるのです。

自由でいいと、思うのです。

人間関係と違って、すぐに切り離せるのも、浮気するのも(笑)自由!

もしかすると、こんなに楽しい趣味は(しかも、誰にも邪魔されない!)他にないかもしれません。


あなたも、どうか、
「自分のために」
「自分のためだけに」
本を味わってみてください。

ただ、それでも、効率的に「自分に合った本に出会いたい」という方は、私たちに会いにきてください。


最後にちょこっと宣伝。本とのマッチングサービス!


現在、私が支配人を務める「BOOK HOTEL 神保町」では、事前にお伝えするアンケートに基づいて、おすすめ本を提案するサービス「ブックマッチング」がじわじわと人気になっています。
(無料サービスです。選書の代金は、宿泊代に含まれているので、やったほうがお得です!)

ちなみに、支配人自身の読書体験や、心理学を学んだ経験を活かした「ブックカウンセリング」も実施中です。(こちらは2000円をいただいています。)
いずれも、なかなか自分では選び方がわからない、せっかく読むなら、せっかく楽しむなら、お勧めして欲しい!そんな方にはぴったりのサービスです。お客様からは、、

「お勧めしてもらった本がとても良かった!普段は出会わない本に出会えた。」

「想定外なチョイスに半信半疑だったが、読んでみると意外なほど自分の知りたかった事やヒントが散りばめられていてびっくり。」


などとご感想をいただいております!


正直スタッフのおすすめした本が、必ずしも「ビビビっ」とくる1冊であるかは分かりません。こればっかりは相性なのでなんとも言えません。

それでも、あなたの人生において、何かしらのスパイスになるであろうことは間違いありません。

本を読むことよりも、どんなことを想い、どんなことを感じ、実生活に何を生かすのか。それ自体にとてもとても価値があると思います。


BOOK HOTEL 神保町はこれからも進化を続けます。
これからは、支配人を中心に、さまざまな記事をガンガン描いていく予定ですので、ぜひフォローしてご覧いただけますと幸いです。


最後までご覧いただいてありがとうございました。 



著:moon (BOOK HOTEL 神保町 総支配人 三浦菜月)


よくご覧いただいている記事です⏩


参考:
http://jp.techcrunch.com/archives/20100805google-books-has-determined-that-there-are-128864880-books-in-the-world-for-now/

https://www.sokunousokudoku.net/media/?p=1690



最後までご覧いただき、ありがとうございます。 ぜひあなただけの1冊を探しに、遊びに来てくださいね。