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秋の芸術散歩。大人の絵本巡り

「読書で、芸術に触れる。」
読書の秋と芸術の秋を同時に楽しめて1度で2度美味しい!今宵は、そんなnoteをお届けします。

大人にこそ読んでほしい!絵本の世界

絵本は子どもの読み物。そんなイメージを持っている方も多いと思います。ですが、絵本は決して子どもだけのものではありません!

絵本の中には大人にも役立つ教訓や生き方のヒントがたくさん詰まっていますし、久しぶりに開いてみると大人が唸るほどの美しい描写に驚かされることもしばしば。読むたびに新たな発見があることが魅力です!

絵本を読むことで癒されて心が軽くなることもあれば、逆に悲しくなったり考えさせられることもあります。絵本って深い、、。
最近は大人を対象としているものも増えてきているので、この機会に是非読んでみてくださいね。

◾️大人の絵本はこんな人にオススメ

・芸術に触れたいけど人混みは避けたい人
・自宅やホテルでゆったりと鑑賞したい人
・物語について自分のペースで深く考えたい人

文字が少ない分想像力が掻き立てられる絵本。その繊細な絵は芸術としても素晴らしいです。静かな秋の夜はゆったりとした気持ちで絵本を読んでみましょう。

芸術の秋を堪能する3冊

Michi みち / junaida 作

部屋の中で、静かに冒険をはじめよう。

表紙を捲ると、そこに描かれるのは小さな子どもの背中。子どもの目線の先に続くのは、細くて長い1本の道。

この道の向こうには一体何があるの?

わくわくしながらページを捲るとそこには驚くほど鮮やかでふしぎな町が次々と現れます。
汽車の町、本の町、水の町、おばけの町、重力のない町。
とても細かくて繊細なタッチで描かれた町の絵に目を奪われてー。

1つのページからなかなか進めないこと間違いなし!笑

前から読むと男の子が「Michi」を進み、後ろから読むと女の子が「みち」を進んでいく。

それぞれ別々の道からスタートし、最後は…?

文字が一切ないのに彼、彼女らの冒険の様子が目に浮かぶのが面白い!

この建物の中ではどんな生活をしているのかな。この人たちはきっとこんな
会話をしているんだろうな。町に住む人々の営みさえも想像してしまいます。


私も子どもの頃はこんなふしぎな町に行ってみたいと思っていたなぁ。

物語を読んだ夜、目が覚めたら知らない世界に飛ばされてるんじゃないか。
空を見上げたら魔法使いが飛んでいるんじゃないか。
簡単に空想の世界を行き来できたあの頃が、なんだか懐かしい。

迷路のようにも使えるし、「ウォーリーを探せ」のように遊ぶことだってできる。
眺めるだけでも楽しい絵本なので是非手に取ってみてくださいね。

あなたも絵本の世界を自由に散歩してみませんか?


アライバル / ショーン・タン 作

1人でじっくりと深く物事を考えたいときに。

この絵本はまさに大人のための絵本。
文字も色もない。音さえも感じさせない世界。


内容は濃密で、まるで長編映画を観ているような不思議な感覚になります!

文字が一切ないので物語の背景は想像するしかありませんが、移民がテーマなのでしょう。

生まれた国も違い、これまで生きてきた文化も言葉も違う人々。過去には辛い経験をしながらも新天地に流れ着き、出会い、息づく。

これは、破壊と再生の物語…そんなふうに考えさせられます。

絵の力だけで圧倒された絵本は初めて。
読み終わった後、胸にずんと刺さるものがあります。

内容はなかなかヘビーです。軽い気持ちで手に取ると後悔するかもしれないので、そこは要注意!!

心の落ち着いた静かな夜はこの本をお供に。


銀河鉄道の夜 / 清川あさみ

名作を、アートな世界で。

宮沢賢治さんの代表作の一つ。

実は私、オリジナルは読んだことがなく、この絵本で初めて手に取りました。

あまりにも有名な作品。だからこそいつか読むぞ!…と思い続けたままずっと読んでいなかった(あるある)。

積読状態から抜け出せたのはこの絵本のおかげ。

なんと絵の部分はビーズで刺繍が施してあり、惚れ惚れする美しさ…!
思わず手にとってしまいます。

手掛けたのは世界的にも人気のあるアーティスト、清川あさみさん。

写真に刺繍を施す独創的な手法で様々な賞を受賞されている方で、繊細で美しい幻想的な世界観が魅力の一つ。

過去には漫画のワンピースとコラボしてジャンプ本誌の表紙を飾ったこともあるんです。
そんな彼女が手掛けた「銀河鉄道の夜」は文学を超えて、芸術作品と言っても過言ではありません。

小説で読む銀河鉄道の夜は文章が硬く、敷居が高いようにも感じる方も、
この絵本は美しい挿絵が物語を彩っているので食い入るように読み進めてしまいます。

美しいのに悲しい。温かいのに寂しい。その切なさに胸がぎゅっと締め付けられます。

未読の方は宮沢賢治さんに触れるきっかけになさって下さいね。既読の方にも新しい視点で物語を眺めることができ、新たな発見があると思います!

芸術も文学もどちらも楽しみたい方は是非、この絵本を手に取ってみて下さい。


静かな秋の夜は絵本の世界へ

今回は少しずつタイプの違う絵本を3冊ご紹介しました。

・じっくり眺めて想像力を掻き立てられるもの。
・この世界で本当に起こっているかもしれない事象に触れ、幸せについて考えたくなるもの。
・美しくも儚い名作の世界に触れられるもの。

ご自身の気分でお好きなものを手に取っていただけると嬉しいです!

秋の夜は長い。
だからこそ、今まで気になっていたことを始めてみたり、今まで触れたことのないジャンルの本に手を出してみるチャンスです。

これまでの自分になかった気持ちや価値観に出会えるかもしれません。

それぞれの絵本の世界を巡り、みなさんの芸術の秋を楽しんで下さいね。

ライター Mumin (twitter:@mu_umin_)
 編集     moon(twitter:@moon_webwriter)


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